中国の国有宇宙開発企業CASC(中国航天科技集団)は2026年7月4日から5日にかけて、「長征6号改」および改良型新型ロケット「長征8号甲(Long March 8A)」を相次いで打ち上げ、通信衛星コンステレーション「千帆(Qianfan / SpaceSail)」向けの衛星群を連続投入したことが2026年7月6日に明らかになった。特に長征8号甲はこれが初飛行となり、ミッションの成功をもって運用能力が確認された。
長征8号甲が初飛行成功、千帆G13・G15バッチを2日で軌道投入
7月4日(日本時間)には長征6号改が打ち上げられ、千帆コンステレーションのG13バッチに相当する衛星群を低軌道(LEO)へ投入した。翌5日には長征8号甲がG15バッチを担い、こちらも打ち上げに成功している。長征8号甲は長征8号(Long March 8)の派生型で、1段目エンジンの構成や補助ブースターの仕様が見直された改良モデルとされており、今回の初飛行でその信頼性が実証された形だ。2日間で2機のロケットを連続運用するオペレーションは、CASCの製造・整備体制が量産フェーズに対応していることを示している。
千帆コンステレーション:中国版「Starlink」の量産段階が本格化
千帆(SpaceSail)は上海垣信衛星科技が主導する中国の民間通信衛星コンステレーション計画で、最終的に数千機規模の衛星網を構築しSpaceXのStarlinkに対抗することを目指している。2024年後半から打ち上げを本格化させており、今回のG13・G15バッチ投入によって軌道上の衛星数はさらに積み上がった。長征6号改はすでに千帆向け打ち上げで複数の実績を持つ主力機だが、今回の長征8号甲の投入はロケット側の多様化を意味し、打ち上げ頻度をさらに高める布石となる。G13・G15という命名からは、すでに十数回以上のバッチ打ち上げが実施されてきた経緯が読み取れる。
長征8号甲の量産・再利用化と千帆の残り投入計画が焦点に
長征8号甲が初飛行を終えたことで、次の焦点は同型機の量産ペースと打ち上げ間隔の短縮に移る。CASCは長征シリーズ全体でロケットの製造サイクル短縮と運用コスト低減を進めており、長征8号甲がその中でどの位置付けを担うかが今後明らかになる。千帆コンステレーション側では、サービス開始に向けた軌道上衛星数の閾値達成が引き続き課題であり、G13・G15以降のバッチ計画および打ち上げ頻度が注目される。また、長征8号甲が将来的に回収・再利用に対応するかどうかについては、2026年7月6日時点でCASCからの公式発表は確認されていない。



