ソユーズMS-29がISSへドッキング、乗員は一時10名に
2026年7月15日、NASAの宇宙飛行士アニル・メノンと、Roscosmosの宇宙飛行士ピョートル・ドゥブロフおよびアンナ・キキナの3名が、国際宇宙ステーション(ISS)に無事到着した。3名を乗せたソユーズMS-29宇宙船は日本時間同日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、3時間・2周回の軌道飛行の後、午後1時52分(EDT)にISSのプリチャル(Prichal)モジュールへドッキングした。これによりISSの乗員数は10名となり、約2週間にわたってこの体制が維持される。
打ち上げは現地時間午後7時47分(EDT午前10時47分)に実施された。ドッキング後、ハッチ開放は午後4時ごろに予定されており、エクスペディション74クルーがISSで3名を出迎えた。出迎えたクルーはNASAのジェシカ・メイアー、ジャック・ハサウェイ、クリス・ウィリアムズの各飛行士、ESAのソフィー・アドノ飛行士、そしてRoscosmosのセルゲイ・クード=スヴェルチコフ、セルゲイ・ミカエフ、アンドレイ・フェジャエフの各宇宙飛行士の計7名。
メノン飛行士が担う科学ミッションの具体的内容
メノン飛行士は今回の滞在中、複数の先端科学実験を担当する。主要ミッションの一つは、微小重力環境での半導体結晶の製造精度向上に向けた研究で、高性能コンピュータや人工知能(AI)、医療機器向け部品の大規模製造への応用が想定されている。また、拡張現実(AR)とAIを組み合わせた超音波診断手法の実証も行う。この技術が確立されれば、将来の深宇宙ミッションにおいて地球からの医療支援が不要になる可能性がある。
さらに、宇宙空間での血流変化が宇宙飛行士の健康に与える影響を調べる被験者としても参加する。加えて、微小重力下での血管構造物のバイオプリンティング実験にも取り組み、老化プロセスの解明や治療法開発への貢献が期待されている。これらの研究はいずれも地球上の医療技術にも直結する成果を目指している。
エクスペディション75への移行と7月下旬の乗員交代
2026年7月26日(日曜日)、エクスペディション75が正式に開始される予定だ。これに先立ち、7月25日(土曜日)午前9時40分(EDT)には、ステーション指揮権がクード=スヴェルチコフからメイアーへ移る指揮権交代式が実施される。ウィリアムズ、クード=スヴェルチコフ、ミカエフの3名は約8か月にわたる科学ミッションを終えてISSを離脱する。
指揮権交代式とハッチ開放の様子はNASA+、Amazon Prime、YouTubeでライブ配信される。今回の新クルー到着により、ISSは新旧乗員が混在する約2週間の移行期間に入る。




