← 記事一覧へ
ロケット

H3ロケット7号機が2段目に異常、みちびき5号機を失う

2026-06-20
H3ロケット7号機が2段目に異常、みちびき5号機を失う
出典: H3 Rocket / JAXA

2025年12月22日午後8時51分(米東部時間)、JAXAの主力ロケットH3の7号機が種子島宇宙センターから打ち上げられた。搭載していた準天頂衛星システム(QZSS)の5番目の衛星、みちびき5号機(QZS-5)は静止トランスファー軌道への投入に失敗し、ミッションは喪失に終わった。

H3 7号機、2段目エンジンが2回目点火に失敗——みちびき5号機を喪失

2025年12月22日の打ち上げでは、液体水素・液体酸素を使用するH3の1段目は正常に燃焼した。しかし2段目に問題が発生し、JAXAが後に公表したプレスリリースによると、2段目エンジンの2回目の点火が正常に始まらず、起動直後にシャットダウンした。これによりQZS-5は計画軌道に投入できず、打ち上げは失敗と判断された。打ち上げ後の記者会見では、1回目の2段目エンジン停止が計画より27秒遅れ、2回目の点火は15秒遅延したのちほぼ即座に停止したことが明かされた。さらにテレメトリーデータには、1段目燃焼中から2段目の水素タンク圧力が低下し始めていたことが示されており、この挙動が原因究明の焦点となっている。

QZS-5の行方と、H3が抱える2度目の失敗という重い文脈

QZS-5が機体から分離したかどうかは2025年12月22日時点では不明だった。米宇宙軍は種子島からの打ち上げと整合する高度109km×441kmの軌道上に物体を補足・カタログ登録しており、衛星と2段目は近地点高度が低いためわずか数周回以内に大気圏再突入すると見られた。H3はJAXAが旧H-IIAの後継として開発した全長63mの主力ロケットであり、今回は7回目の打ち上げとなる。H3は2023年3月の2号機打ち上げでも2段目エンジンの点火失敗によりALOS-3衛星を喪失しており、今回は同系統の段で2度目の重大異常が発生したことになる。一方、QZSSを巡っては、2025年2月にみちびき6号機(QZS-6)が静止軌道への投入に成功していた。

JAXA特別対策チームが発足——原因究明と今後の打ち上げへの影響

JAXAは2025年12月22日、山川宏JAXA理事長を長とする特別対策チームを設置し、原因調査を開始したと発表した。調査の主眼は、1段目燃焼中から観測された2段目水素タンクの圧力低下という異常な挙動の解明に置かれる。H3の次回打ち上げへのスケジュール影響は現時点では公表されていない。QZSSはGPSの測位精度を補完しつつ日本およびアジア太平洋地域に測位・航法・時刻サービスを提供するシステムであり、QZS-5の喪失はシステム冗長性の確保という点で計画上の空白を生むことになる。

参考記事

𝕏 でシェアする
古い記事 →
H3ロケット、第2段異常でみちびき5号機を喪失
関連記事
H3ロケット、第2段異常でみちびき5号機を喪失
2026-06-18
H3ロケット、第2段異常でみちびき5号機を喪失
H3ロケット6号機、最軽量構成で軌道投入に成功
2026-06-13
H3ロケット6号機、最軽量構成で軌道投入に成功
H3ロケット6号機、6月12日打ち上げへ 新形態「30型」初飛行
2026-06-11
H3ロケット6号機、6月12日打ち上げへ 新形態「30型」初飛行