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ロケット

H3ロケット6号機、6月12日打ち上げへ 新形態「30型」初飛行

2026-06-11
地球上空から撮影した人工衛星で、太陽光パネルを広げた状態で地球を背景に浮遊している様子。
地球上空から撮影した人工衛星で、太陽光パネルを広げた状態で地球を背景に浮遊している様子。出典: NASA/JSC

H3ロケット6号機、12日9時53分に打ち上げ決定 「30形態」初飛行へ

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2026年6月10日、H3ロケット6号機の打ち上げ日時を日本時間6月12日(金)9時53分と発表した。打ち上げ場所は種子島宇宙センターで、今回の機体はこれまでのH3とは異なる新形態「30形態」の試験機として位置付けられている。H3の飛行再開と、新たな構成の実証という二つの意義を同時に担う節目の打ち上げとなる。

「30形態」とは、H3ロケットの第1段エンジン(LE-9)を3基搭載し、固体ロケットブースター(SRB-3)を使用しない構成を指す。これまでH3は「22形態」(LE-9×2基+SRB-3×2本)や「30形態」に近い設計での飛行実績を積み上げてきたが、今回の6号機はブースターなしで3基のLE-9のみで飛行する構成の初挑戦となる。ブースターを省くことでコスト低減と打ち上げ柔軟性の向上が期待されており、商業利用も含めた今後の運用バリエーション拡充に直結する試験だ。

H3が「飛行再開」を掲げる理由 直近の経緯と6号機の位置付け

H3ロケットは2023年3月の2号機打ち上げ時、第2段エンジンが点火せず失敗。搭載していた地球観測衛星「だいち3号」を喪失するという痛手を負った。その後、原因究明と対策を経て2024年2月に3号機で飛行再開に成功し、以降4号機・5号機と連続して成功を収めてきた。今回の6号機は、この連続成功を踏まえた上で、新たな「30形態」という技術的挑戦に踏み込む段階に来ていることを示している。

JAXAは6号機を「試験機」と位置付けているが、これはフライト実績のない新形態を初めて飛行させるにあたって慎重なデータ取得を優先する姿勢の表れだ。LE-9エンジン3基を同時に燃焼させた場合の振動・熱・推力特性などを実際の飛行環境で検証することが主目的となる。搭載ペイロードの詳細については発表時点で明らかにされていないが、試験機としての性格上、検証用機器の搭載が中心とみられる。

打ち上げ成否が左右する「H3の量産シナリオ」

30形態の初飛行が成功すれば、H3は現行の22形態に加えて複数の構成を使い分けられる体制に近づく。打ち上げたいペイロードの重量や軌道に応じてブースター本数やエンジン数を変える「モジュール設計」はH3の設計思想の核心であり、6号機の成否はその実現可能性を左右する。一方で、30形態特有のリスクとしてブースターによる補助推力がない状態での第1段飛行安定性が挙げられており、LE-9の3基同時制御がカギを握る。打ち上げウィンドウの詳細や、万が一の延期時のバックアップ日程については、JAXAから追って案内される予定だ。6号機の結果は、H3が国際商業打ち上げ市場へ本格参入するための重要な判断材料ともなる。

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