エレクトロン、StriX-12を軌道投入
Rocket Labのエレクトロンロケットが日本時間2026年9月19日、ニュージーランド・マヒア半島のLaunch Complex 1から打ち上げられ、Synspectiveの合成開口レーダー(SAR)衛星「StriX-12」の軌道投入に成功した。ミッション名は「Owl By The Dozen」。
エレクトロンはマヒア半島を離床後、予定のフライトシーケンスを完遂し、StriX-12を目標軌道へ正確に送り届けた。
Synspectiveの地球観測コンステレーション、12機体制へ
StriX / Synspective
StriX-12は、日本の地球観測スタートアップSynspectiveが運用するSAR衛星コンステレーション「StriX」シリーズの12機目にあたる。SARは光学センサーと異なり、昼夜・天候を問わず地表を撮影できる。Synspectiveはこのコンステレーションでインフラ監視、災害対応、都市開発モニタリングなど向けの商用データ提供サービスを展開している。
ミッション名「Owl By The Dozen」は「12羽のフクロウ」を意味し、12機目の節目を指す。Synspectiveはこれまでのスタートアップとしては積極的なペースでコンステレーションを拡張してきており、今回の打ち上げで同シリーズは二桁台後半の実用運用規模に近づいた。
エレクトロンとSynspectiveの組み合わせは今回が初めてではなく、StriXシリーズの複数機がRocket Lab製ロケットで軌道に乗っている。小型SARペイロードをピンポイントの軌道に投入できるエレクトロンの特性が、Synspectiveのコンステレーション戦略と一致している。
日本のSAR商用市場におけるSynspectiveの立ち位置
Synspectiveは2018年設立の東京拠点のスタートアップで、衛星の設計・製造から地球観測データの解析サービスまでを一貫して手がける垂直統合型のビジネスモデルを採る。StriXコンステレーションの拡張は同社の主力事業であり、機数が増えるほど同一地点への再訪頻度が上がり、データ提供の即時性が向上する。
SARコンステレーション市場は世界的に競争が激化しており、ICEYE(フィンランド)、Capella Space(米国)などのプレイヤーが先行する中、Synspectiveはアジア太平洋地域の顧客基盤と日本政府・機関との連携を強みとしている。StriX-12の稼働により、同社のサービス能力はさらに実質的に向上する。
Rocket Lab側にとっても、エレクトロンによる継続的な商業打ち上げ実績の積み上げは、開発中の大型ロケット「Neutron」への投資を支える収益基盤として機能する。マヒア半島の射場は今回も問題なく運用された。



