ファルコン9、バンデンバーグから21機を軌道投入
日本時間2026年10月10日16時39分(UTC 07:39)、SpaceXのファルコン9がカリフォルニア州バンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられ、米宇宙軍宇宙開発庁(SDA)向けの軍事通信衛星21機の軌道投入に成功した。
ミッション名は「SDA Tranche 1 Transport Layer A」。ノースロップ・グラマンが製造した衛星21機を搭載し、低軌道(LEO)への展開を果たした。
PWSA Tranche 1——光通信で繋がる軍事衛星コンステレーション
今回投入された衛星群は、米宇宙軍が推進する「増殖型戦闘員宇宙アーキテクチャ(PWSA)」のTranche 1トランスポート層を構成する。このコンステレーションは低遅延かつ耐障害性の高い軍事データ通信を全世界の戦闘員プラットフォームへ提供することを目的としている。
最大の技術的特徴は、衛星間を結ぶ光衛星間リンク(OISL)の採用だ。従来の無線周波数クロスリンクと比較して通信性能が大幅に向上している。運用帯域はKaバンドで、ステレオカバレッジと動的ネットワーキングによりハンドオフの簡略化、広帯域化、耐障害性の向上を実現する設計となっている。
PWSA Tranche 1トランスポート層の打ち上げは全6ミッションが計画されており、今回の「A」ミッションはその第1弾にあたる。残る5ミッションで衛星数をさらに積み上げ、コンステレーションとして機能させる。
SDAが進める分散型宇宙システムの構築
SDAはトランスポート層のほかにトラッキング層も並行して整備しており、複数の衛星バスメーカーや打ち上げプロバイダーを活用して単一障害点を排除した分散型アーキテクチャを志向している。Tranche 1はTranche 0からの性能拡張版であり、衛星数・カバレッジ・通信容量のすべてにおいてスケールアップしている。
今回のノースロップ・グラマン製21機に続き、残りのTranche 1ミッションでも複数メーカーの衛星が打ち上げられる予定で、完成後のコンステレーションが戦術レベルの通信をLEOから支える体制が整う。




