H3ロケット10号機 / MMX 打ち上げ予定
JAXAの火星衛星探査機「MMX(Martian Moons eXploration)」が、H3ロケット10号機で種子島宇宙センターから打ち上げ予定です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ロケット | H3-24L(H3ロケット10号機) |
| ミッション | MMX(火星衛星探査) |
| 射場 | 種子島宇宙センター 吉信射点 LP-2 |
| 運用機関 | JAXA |
| 投入軌道 | 火星遷移軌道 |
| ステータス | 確定(Go) |
| 予備期間 | 2026年10月21日〜11月7日 |
世界初のフォボスサンプルリターン
MMX探査機 / JAXA
MMXは、火星の衛星「フォボス」に着陸し、表面の物質を10g以上採取して地球に持ち帰る計画だ。火星の衛星からのサンプルリターンが実現すれば、世界初となる。
探査機は打ち上げ時の質量が約4.5トンに達する大型機で、三菱電機が開発を担当した。往路モジュール、探査モジュール、復路モジュールの3つで構成されている。打ち上げ後、約1年をかけて火星圏に到達し、フォボスの準回帰軌道からの詳細観測を経て、最大2回の軟着陸でサンプルを採取する。
ミッションのスケジュールは以下の通り。
- 2026年10月 — 種子島からH3ロケットで打ち上げ
- 2027年 — 約1年の飛行を経て火星圏に到着、火星周回軌道に投入
- 2027〜2029年 — フォボスの準回帰軌道から詳細観測を実施
- 2029年頃 — フォボスに軟着陸(最大2回)し、サンプルを採取
- 2030年 — 火星圏を離脱、地球への帰路に就く
- 2031年 — 地球に帰還、オーストラリアでカプセルを回収
フォボスからの試料採取には、JAXA開発の「C-SMP」(円筒状の器具を表面に突き刺して採取)と、NASA開発の「P-SMP」(圧縮ガスで表面の物質を集める)の2方式が使われる。2回の着陸でそれぞれ異なる方式を用い、10g以上の試料回収を目指す。
探査機と国際協力
MMXはJAXA主導のミッションだが、日本の月・惑星探査では最大級の国際協力体制が組まれている。
探査機にはフランス(CNES)とドイツ(DLR)が共同開発した小型ローバー「IDEFIX」が搭載されている。探査機の着陸に先立ってフォボス表面に投下され、地表の観測データを取得する。ローバーが先行着陸することで、探査機本体の安全な着陸地点選定にも役立てられる。
各国の役割は以下の通り。
- NASA(米国):サンプル採取装置P-SMPの開発、搭載機器MEGANE
- CNES(フランス):ローバーIDEFIXの共同開発、近赤外分光計MIRS
- DLR(ドイツ):ローバーIDEFIXの共同開発
- ESA(欧州):深宇宙通信の支援
H3ロケット10号機について
今回使用されるH3-24L形態は、1段目にLE-9エンジン2基、固体燃料ロケットブースター(SRB-3)を4基搭載し、ロングフェアリングを採用する構成だ。H3-24Lとしては初飛行となる。
H3ロケットは2024年の8号機で打ち上げ失敗を経験したが、2026年6月の6号機で2段目の軌道投入に成功、8月の9号機では測位衛星「みちびき」7号機の軌道投入に成功している。
見どころ
- 世界初の火星衛星サンプルリターン — はやぶさ、はやぶさ2に続く日本のサンプルリターン技術の集大成
- フォボスの起源解明 — 捕獲された小惑星なのか、巨大衝突で生まれたのか、長年の謎に決着をつける可能性がある
- H3-24L初飛行 — H3ロケットの新しい構成での初めての打ち上げ
- 早朝の打ち上げ — 日本時間4時41分、種子島からの打ち上げを日本国内からリアルタイムで見届けられる




