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ロケット

Blue Origin「New Glenn」ロケット、静的燃焼試験中に爆発

2026-06-02
Blue Origin「New Glenn」ロケット、静的燃焼試験中に爆発
出典: spaceflightnow.com

New Glennロケット、ケープカナベラルで静的燃焼試験中に爆発

https://twitter.com/blueorigin/status/2059676643875049654

Blue Origin(ブルーオリジン)の大型ロケット「New Glenn(ニューグレン)」が、2026年5月29日午後9時(米国東部時間、協定世界時6月30日午前1時)、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地のLC-36(Launch Complex 36)で実施されていた静的燃焼試験(スタティック・ファイア)中に爆発した。同社は早ければ6月4日にもAmazonの低軌道衛星群「Project Kuiper」向けのLeo衛星打ち上げミッションを予定していたが、今回の事故により計画は大幅な見直しを迫られることになる。

New Glennとは何か——Blue Origin悲願の大型軌道ロケット

https://twitter.com/dreamerbaile59/status/2061303715332768028

New Glennは、Amazon創業者ジェフ・ベゾスが設立したBlue Originが開発した2段式の大型軌道投入ロケットである。全高約98m、第1段には同社が独自開発した液体天然ガス/液体酸素エンジン「BE-4」を7基搭載し、低軌道(LEO)への打ち上げ能力は約45トンに達する。名称は、アメリカ初の有人軌道飛行を成し遂げた宇宙飛行士ジョン・グレンにちなんで命名された。

New Glennの初飛行は当初2020年代前半に予定されていたが、開発の遅延が重なり、実際の初打ち上げは2025年1月にずれ込んだ。この初飛行では第1段ブースターの着船回収には失敗したものの、第2段による軌道投入には成功し、Blue Originとして初めてペイロードを軌道に乗せた歴史的なミッションとなった。その後、同社は段階的にミッション頻度を上げ、Amazon Kuiper衛星の打ち上げを主要な顧客として契約を積み重ねてきた。

静的燃焼試験で何が起きたのか

静的燃焼試験は、ロケットを発射台に固定した状態でエンジンを実際に点火・燃焼させ、推進系統や機体構造の健全性を確認する打ち上げ前の重要な試験工程である。SpaceXのFalcon 9でも打ち上げ前にほぼ毎回実施されている標準的な手順だが、今回はこの試験中にロケットが爆発するという深刻な事態に至った。

現時点で爆発の詳細な原因は公表されていない。ケープカナベラル宇宙軍基地のLC-36は、かつてアトラスロケットの打ち上げに使われていた歴史ある発射施設をBlue Originが改修して使用しているもので、発射台そのものへの損傷の程度も今後の復旧スケジュールを大きく左右する要因となる。ロケット本体が全損した場合、次号機の製造・組み立てには数カ月以上を要するのが通常であり、発射設備の修復期間も加味すれば、打ち上げ再開までには相当の時間がかかる可能性がある。

人的被害に関する情報は現時点では報じられていないが、静的燃焼試験は通常、射場周辺を十分に退避させた状態で実施されるため、人員への直接的な被害リスクは比較的低い工程である。

AmazonのKuiper計画への影響

今回の爆発で最も直接的な影響を受けるのは、Amazonが構築を進める衛星インターネット網「Project Kuiper」である。AmazonはStarlinkに対抗すべく、最終的に3,236基の衛星で構成される低軌道コンステレーションを計画しており、その打ち上げにはULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)のAtlas VおよびVulcan Centaur、SpaceXのFalcon 9に加え、Blue OriginのNew Glennを主要ロケットの一つとして契約していた。

実際、ULAは5月29日にAtlas Vで29基のKuiper衛星を打ち上げた「Leo Atlas 07」ミッションを成功させたばかりであり、New Glennによる打ち上げはこれに続く形で6月4日に予定されていた。New Glennの運用停止が長期化すれば、AmazonはULAやSpaceXへの依存度をさらに高めざるを得ず、衛星コンステレーション構築のスケジュール全体に波及する恐れがある。

AmazonはFCC(米連邦通信委員会)の認可条件として、2026年7月までにKuiper衛星の半数を軌道に投入する義務を課されているとの報道もあり、打ち上げ手段の一つが失われることの時間的インパクトは小さくない。

Blue Originの今後と米国ロケット業界への波紋

Blue Originにとって、今回の事故は2025年1月の初飛行成功から築き上げてきた信頼性の実績に大きな傷をつけるものとなった。同社はNew Glennの第1段再使用を段階的に実現し、SpaceXのFalcon 9に匹敵する打ち上げコストの達成を目標に掲げてきた。しかし、ロケット全損となれば機体の製造ラインの能力が改めて問われるほか、保険料率の上昇や顧客からの信頼回復といった課題も浮上する。

一方で、ロケット開発における試験中の事故は決して珍しいことではない。SpaceXも開発初期にFalcon 1で3回連続の打ち上げ失敗を経験し、2016年にはFalcon 9が射点での推進剤充填中に爆発する事故を起こしている。重要なのは原因究明の徹底と、それを次の設計・運用に反映できるかどうかである。

Blue Originは今後、事故調査の結果と発射施設の被害状況を踏まえ、復旧計画を策定することになる。米国の大型ロケット打ち上げ市場はSpaceXがほぼ独占的な地位を築いている状況であり、ULAのVulcan CentaurやRocket Labの「Neutron」など新たな競合も控える中、New Glennの戦線復帰がどの程度の期間で実現するかは、米国の打ち上げ業界全体の競争環境を左右する重要な指標となる。

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