H3ロケット6号機、打ち上げ2日前に延期決定 JAXAが6月8日付で発表
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2026年6月8日、「H3」ロケット6号機(30形態試験機)の打ち上げを延期すると発表した。当初、打ち上げウィンドウは日本時間6月10日9時53分59秒〜11時52分46秒に設定されており、打ち上げ2日前の発表となった。延期の具体的な新日程については、現時点でJAXAから正式なアナウンスはなく、引き続き確認・対処作業が進められている。搭載予定だった静岡大学の超小型衛星「STARS-X(愛称:しらいと)」も、今回の延期によって打ち上げを待つ状況が続く。
「30形態」とは何か H3の運用拡大を左右する重要な試験飛行
H3ロケットには、搭載する固体ロケットブースター(SRB-3)の本数と搭載フェアリングのサイズの組み合わせによる複数の「形態」が存在する。これまで飛行実績があるのは、2本のSRB-3を装着した「22形態」と「24形態」のみだった。6号機が採用する「30形態」は、固体ブースターを搭載しない構成であり、H3としては初めての試みとなる。固体ブースターを省くことで、打ち上げコストの低減と打ち上げ柔軟性の向上が期待されており、この形態の確立はH3の商業競争力を大きく左右する。エンジンは液体水素・液体酸素を推進剤とするLE-9を第1段に3基搭載し、固体ブースターなしでの上昇性能を初めて実地検証する。
H3ロケットは初号機(2023年3月)の打ち上げ失敗、2号機(2024年2月)での打ち上げ成功を経て、3号機以降は連続して成功を収めてきた。6号機は、固体ブースターなし形態という新たなステップへの挑戦であり、今後の多様な打ち上げ需要に対応するうえで不可欠な試験と位置づけられている。搭載ペイロードとして、前述の「STARS-X(しらいと)」のほか、複数の小型副衛星が含まれており、超小型衛星の相乗り輸送能力の実証も兼ねている。
延期の要因と今後の見通し 新日程は未定、原因の公表が焦点
今回の延期について、JAXAは発表時点で具体的な技術的原因を明らかにしていない。打ち上げ直前の延期は、機体や地上設備の点検・確認作業中に想定外の事象が検出された場合に実施される標準的な判断であり、安全マージンを優先したものと見られる。今後JAXAが原因の詳細と新たな打ち上げ日程を公表するかどうかが、次の注目点となる。30形態はH3の運用形態の中でも商業衛星打ち上げへの適用が想定される構成であるため、試験飛行の成否と取得データの品質が、H3の受注活動に直接影響する。静岡大学の「しらいと」を含む副衛星搭載ミッションへの影響も含め、JAXAの続報が待たれる状況だ。



