長征3B/E、天鏈2号06星を静止軌道へ正常投入
2026年7月23日12時00分(UTC)、中国航天科技集団(CASC)は西昌衛星発射センターから長征3B/Eロケットを打ち上げ、天鏈2号06星(Tianlian 2-06)の軌道投入に成功した。打ち上げはノミナルに推移し、第1段燃焼・分離、第2段燃焼・分離を経て、第3段の液水・液酸エンジンYF-75が二度にわたる燃焼を実施。ペイロードを静止トランスファー軌道(GTO)へ送り届けた後、衛星は自力で静止軌道へ遷移した。
天鏈2号ネットワークが6機体制へ——地上追跡インフラからの脱却
この打ち上げで最も注目すべき点は、天鏈2号コンステレーションが06号機まで積み上がり、第2世代中継衛星ネットワークの充実が着実に進んでいることだ。
天鏈(Tianlian)シリーズは、地上追跡局や海洋追跡船に依存してきた中国の宇宙通信インフラを、静止軌道上の中継衛星で置き換えることを目的としている。地上局は地平線の制約から、低軌道衛星との通信可能時間が1周回あたり数分程度に限られる。静止軌道の中継衛星を複数配置することで、この「可視窓」の問題を根本的に解消し、低軌道を周回する衛星や宇宙船との常時接続を可能にする。
中国有人宇宙ステーション「天宮」との通信や、地球観測衛星からのリアルタイムデータ伝送において、天鏈ネットワークへの依存度は第1世代(TL-1)の時代から一貫して高まっている。TL-2シリーズはTL-1を置き換える後継として、より高いデータレートと改善された耐久性を持つとされる。
天鏈2号06星——DFH-4バス採用の第2世代中継衛星
天鏈2号06星は、中国が国産開発した通信衛星バス「東方紅4号(DFH-4)」を採用している。DFH-4は三軸姿勢制御方式の静止衛星プラットフォームで、打ち上げ質量5,200kg超、設計寿命15年の大型バスだ。搭載される中継ペイロードは、低軌道の宇宙船と地上管制局の間でSバンドおよびKaバンドによる双方向通信を担う。
天鏈2号06星の具体的な軌道経度は公表されていないが、既存の天鏈2号衛星と組み合わせることで、赤道上空からの全球カバレッジに近い状態を維持するよう配置されるとみられる。
長征3Bの今後の運用
長征3B/Eは中国の静止軌道投入における主力ロケットであり続けており、今後も天鏈、北斗、通信衛星など静止軌道向けミッションへの投入が見込まれる。CASCは次世代の大型ロケット「長征5号」への移行を進めつつも、長征3Bシリーズは当面その役割を継続する計画だ。
参考記事
- Launch Library 2 (The Space Devs)




