スペクトラム、11回目の飛行で第2次試験に成功
2026年9月5日20時12分(UTC)、Isar Aerospaceのロケット「Spectrum」がノルウェー・アンドーヤ宇宙港から打ち上げられ、ミッション「Onward and Upward」の成功を収めた。Spectrumの通算11回目の打ち上げであり、かつ機体としての第2回飛行試験にあたる。
第1回飛行試験から積み上げたデータを反映した今回のフライトでは、欧州宇宙機関(ESA)の学生衛星支援プログラム「Boost!」のペイロードを搭載。機体は予定の軌道投入シーケンスを完遂し、搭載した5機のキューブサットを正常に分離した。
ESA「Boost!」プログラムの学生衛星5機と非分離実験
今回搭載されたペイロードは以下の通り。
- CyBEEsat(ベルリン工科大学): 衛星間通信・編隊飛行技術の実証
- TriSat-S(マリボル大学): 地球観測・衛星技術の学生実証機
- Platform 6(EnduroSat): 標準化された小型衛星バスの軌道上検証
- FramSat-1(ノルウェー科学技術大学 NTNU): 極軌道からの地球観測実験
- SpaceTeamSat1(ウィーン工科大学 Space Team): 学生開発の通信・センサー実証機
- Let It Go(Dcubed): 展開機構の非分離実験(機体搭載のまま動作確認)
5機はすべてキューブサット規格で、ESAの「Boost!」プログラムを通じて欧州各国の大学チームが開発した。非分離実験の「Let It Go」はDcubedが手がける展開機構の動作データ取得を目的としており、分離は行われない。
欧州新興ロケット産業における位置づけ
Isar Aerospaceはミュンヘンを拠点とする欧州の新興打ち上げ事業者で、Spectrumは小型衛星市場を主な顧客ターゲットとする液体燃料ロケットだ。アンドーヤ宇宙港はノルウェー北部に位置し、極軌道・太陽同期軌道へのアクセスに適した射場として欧州の小型ロケット事業者に活用されている。
第2回飛行試験の成功により、Spectrumは試験段階から実用運用フェーズへの移行に向けた大きな実績を積んだ。今回の「Boost!」ミッションは、欧州の学生宇宙工学教育と新興打ち上げサービスを同時に前進させる形となった。




