長征4号B、遥感衛星6機を同時投入
2026年9月10日09:00 UTC、中国航天科技集団(CASC)の長征4号B(Long March 4B)が、酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。ミッションは成功し、遥感(Yaogan)53-01〜03および遥感56-01〜03の計6機を軌道に投入した。
長征4号Bが異なるシリーズの衛星をまとめて6機搭載するのは、複数の衛星バス構成を1回のフライトで同時展開する典型的な中国式の多重ペイロード運用だ。遥感53と遥感56はシリーズ番号が異なるため、異なる軌道パラメータや用途を持つ可能性があるが、詳細は公表されていない。
遥感53・56シリーズの位置づけ
遥感(Yaogan)シリーズは中国人民解放軍(PLA)が運用する軍事リモートセンシング衛星群だ。中国政府は「民間観測目的」と説明することもあるが、西側の宇宙機関および安全保障研究者はこれを軍事偵察・情報収集衛星として分類している。
今回投入されたのは2つの異なるグループ。遥感53シリーズ(01〜03)と遥感56シリーズ(01〜03)で、各グループが3機セットのコンステレーションを形成する構造をとる。3機編成は光学・SAR(合成開口レーダー)・信号情報収集など異なるセンサーを組み合わせた分散型アーキテクチャに多く採用される形式だ。ただし搭載センサーや軌道高度・傾斜角はいずれも非公開であり、具体的な能力は確認できない。
中国は近年、遥感シリーズの打ち上げペースを大幅に加速させている。2020年代に入り年間複数回の遥感衛星打ち上げが常態化しており、今回の2シリーズ同時展開もその流れの一環に位置づけられる。
中国軍事宇宙インフラの継続的拡張
長征4号Bは太陽同期軌道(SSO)および極軌道への投入を主用途とする信頼性の高いロケットで、地球観測・偵察衛星の打ち上げに繰り返し起用されている。今回のミッション成功により、遥感シリーズのコンステレーション規模はさらに拡大した。
遥感56シリーズは今回が初号機(01〜03)の展開であり、新たなシリーズの運用開始を意味する。遥感53シリーズも01〜03の初期展開であることから、中国はこの時期に複数の新コンステレーションを同時立ち上げた形になる。
CASCは今後も遥感シリーズの追加投入を継続するとみられるが、個々のミッション計画は事前に公表されない。




