ヴェガC、29回目の打ち上げで2機同時軌道投入に成功
2026年9月15日01時21分(UTC)、Avio S.p.A.のヴェガCが南米フランス領ギアナのギアナ宇宙センターから打ち上げられ、ミッションに成功した。ヴェガCとして通算29回目の打ち上げとなる。
ペイロードはESAの地球観測衛星2機——Sentinel-3CとFLEX(蛍光探査衛星)。ヴェガCはリフトオフ後、ZEFIROおよびAVUM+上段を順次燃焼させ、2機を所定の軌道へ投入した。
Sentinel-3CとFLEX——異なる目的を持つ2機
Sentinel-3Cはコペルニクス計画のSentinel-3コンステレーションに加わる3機目の衛星。光学・レーダー・アルティメトリの各センサーを搭載し、海洋表面温度、海面高度、陸域の植生状況など幅広いパラメータを高精度で継続観測する。Sentinel-3AおよびBとともに3機体制となることで、地球全域の再訪問間隔が短縮され、観測データの時間分解能が向上する。
FLEX(Fluorescence Explorer)はESAアース・エクスプローラープログラムの一環。植物が光合成時に発する微弱な蛍光(クロロフィル蛍光)を全球スケールでマッピングし、光合成活動の定量化を目指す。これまで衛星から直接計測することが難しかった植物の生理活動を把握することで、炭素循環モデルの精度向上に貢献する。
2機は軌道上でタンデム飛行を行う設計で、FLEXはSentinel-3の観測データと組み合わせることで蛍光シグナルの解釈精度を高める。
Sentinel-3コンステレーション完成とFLEXの新たな観測領域
Sentinel-3Cの合流によりコペルニクス海洋・陸域サービスの観測体制は3機構成に移行する。既存の2機と役割を分担しながら、気候モニタリングや漁業管理、洪水・干ばつ監視などの実利用に向けたデータ供給が継続される。
FLEXは衛星から植物の光合成を直接計測する初めてのグローバルミッションに位置づけられる。農業生産性の推定や生態系の健全性評価など、これまで地上観測や航空機観測に頼っていた分野へのデータ提供が可能になる。
ヴェガCにとっても、異なるミッション目的を持つ2機の衛星を1フライトで軌道投入したことは、デュアルペイロード対応の実績としてカタログに加わる形となった。




