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Gravity-1が9機の相乗り衛星打ち上げに成功

2026-07-22
Gravity-1が9機の相乗り衛星打ち上げに成功
出典: Gravity-1 / Orienspace

中国の宇宙企業Orienspace Technology(東方空間)が開発するGravity-1(引力一号)ロケットは、日本時間2026年7月22日午前11時54分(UTC 02:54)、山東省海陽市の海陽東方宇宙港から打ち上げられ、9機の衛星を太陽同期軌道へ投入することに成功した。

打ち上げシーケンス:海上発射台から太陽同期軌道へ

打ち上げはGravity-1の固体燃料第1段が点火され、機体は海陽東方宇宙港に整備された海上発射プラットフォームから離昇した。Gravity-1は全4段構成の固体推進剤ロケットで、全長約30メートル、打ち上げ時重量は約405トン、直径は約2.65メートルとされる。最大径の第1段には4基のSRBが並列に束ねられた形状を採用しており、低軌道への最大ペイロード能力は約6.5トンを誇る。

第1段燃焼を終えたのち段間分離が行われ、続く第2段・第3段が順次点火。最終的に第4段(キックステージ相当の上段)が精密な姿勢制御を担い、所定の太陽同期軌道へ9機の衛星を順次分離した。太陽同期軌道は地球観測衛星やリモートセンシング衛星が多く利用する軌道面であり、軌道傾斜角はおよそ97〜98度台に設定されるのが一般的だ。ペイロード分離完了をもってミッション成功が確認された。

海陽東方宇宙港という「海上発射拠点」の意義

この打ち上げで注目すべきは、射場そのものにある。海陽東方宇宙港は中国初の商業海上発射拠点として整備された施設であり、Gravity-1はこの港を母港として運用されている。

海上発射の最大の利点は軌道投入の自由度だ。内陸の固定射場では打ち上げ方位が地形や落下域の安全性によって制約を受けるが、海上プラットフォームであれば船舶を所定海域へ移動させることで、幅広い軌道傾斜角に対応できる。また、固体ロケットは液体ロケットに比べてプロペラント充填などの事前準備が少なく、港湾施設での取り扱いにも適している。

Gravity-1は世界最大級の固体燃料ロケットとして設計されており、その打ち上げを海上から行うという組み合わせは、中国の商業宇宙産業において独自のポジションを確立しようとするOrientspaceの戦略を体現している。内陸の国営射場に依存せず、商業顧客の需要に合わせて海域を選択できる柔軟な運用体制は、相乗り打ち上げサービスの競争力に直結する。

ペイロード:9機の衛星を太陽同期軌道へ相乗り輸送

今回搭載されたのは9機の衛星で、複数の顧客が同一フライトに相乗りするシェアライド(ライドシェア)形式での打ち上げだった。投入先は太陽同期軌道であり、地球観測・リモートセンシング用途の小型衛星群が主なターゲット層となる。各衛星の詳細な仕様や運用事業者については、引き続き情報の公開が待たれる段階だ(Details TBD)。

ライドシェアモデルはSpaceXのTransporter任務やロケットラボのElectronが先行して市場を開拓してきたが、中国国内においてもこの形式への需要は急拡大している。特に中国の民間・国営を問わず多数の小型衛星コンステレーション計画が進行中であり、Gravity-1のような大型固体ロケットが一度に複数機を相乗り輸送できる能力は、こうした需要に対して有力な選択肢となる。

今後の展開:運用の継続と大型固体市場の競争

Orienspace Technologyは今後もGravity-1による商業打ち上げサービスの拡大を目指している。次回フライトの具体的な日程や搭載ペイロードは現時点では公表されていない。

中国の商業宇宙市場では、液体ロケット分野でLandSpace(朱雀2・3)やSpace Pioneer(天龍)が再使用技術の開発を競う一方、固体ロケット分野ではExPace(快舟)やCAS Space(力箭)などが実績を積み上げている。Gravity-1はその中でも搭載能力の大きさと海上発射の柔軟性を武器に差別化を図っており、大型ペイロードの相乗り需要を取り込む戦略で市場に挑んでいる。海陽東方宇宙港を拠点とした打ち上げサービスが商業的に定着するかどうかが、今後の評価軸となる。

参考記事

  • Launch Library 2 (The Space Devs)
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